植本一子の短縮営業中(2024/6/11)

生きてます
植本一子 2024.06.11
誰でも

お久しぶりの投稿です。みなさんお元気でしょうか?

すっかりSNSから離れていた私ですが、実は二ヶ月ほど前に事件に巻き込まれてしまい、かなりしんどい日々を過ごしていました。一時期は1秒たりとも一人にならないように、代わる代わる友人に家まで来てもらい、隣にいてもらったことで本当に助かった。周りの人たちに感謝です。ヘルプが出せる自分でよかったと思いますが、あまりに辛くて、もうこの人生は終わりにしていいかな、と思う瞬間もありました。自分は戻ってくることができたけれど、そういう時の気持ちが身をもってわかったのは、よかったのかもしれません。もう今はいない友人たちの顔が思い浮かびました。


今は日常を取り戻していて、一人で遠くまで出かけたりもしています。この1年間はなかなか辛い時期だったのですが、同時進行で岩手県遠野市にある、とある場所に偶然出会えて、今ではその場所とそこにいる人たちが自分の安全基地の一つのようになっています。ここのことはタイミングが来たらちゃんと書きたい。今は日記を書くこともやめてしまっていて、外に向けて書くことはなーんにもしてません。心のダメージが大きくて、まだ何かするという気になれないのです。


お知らせがいくつかあります。

安全基地である遠野ですが、一年前に初めて行った時のエッセイ『いっしょに生きていこうぜ』が、もうすぐ発売の『ベストエッセイ2024』に収録されています。去年の夏に『文學界』に依頼されて書いたもので、久しぶりにベストエッセイに選ばれて嬉しいです(2018年ぶり、2回目です)。これだな、と思えるものはなかなか書けないもので、前回も今回も、依頼の来るタイミングがよかったのだと思います。遠野で出会った、とくさんと馬と私の話です。


6月28日金曜に福岡にあるとらきつねで『さびしさについて』の刊行記念トークがあります。滝口さんとこの本が出てトークをするのは初めてで、この先トークの予定はありません。配信があるので全国のみなさまどうぞ。今回二人で話すのではなく、とらきつねの鳥羽さんを交えてのトークになり、また違った切り口の話も出てくるはずです。5月に遠野に行った時は鳥羽さんも一緒でした。


7月の中旬に『誕生日の日記』というアンソロジーが発売になります。私も参加していて、2月に日記を書きました。これは日記の特性でもあるのですが、もうあの頃の自分とは状況も考え方も全く別のものになっていて、この本が出ること自体、自分がどう受け止めればいいのかわからなくなっています。まあそれが日記ってものだよね、人生ってそういうものだよね。三宅唱監督がいるのに驚きですが、同い年だったことを最近知ってさらに驚愕している感じです。石田商店で予約販売も始めているので、よろしければ(ひそかにECDIARYも売ってます)。


先日40歳になりました(ということは三宅監督も今年40歳なのですね)。事件のことは自分にとってだいぶ大きくて、これからの生き方を考えざるをえない状況になりました。このことを一生抱えていかなければならないと思うと、本当に苦しかったのですが、時間が経って、少しずついい方向に考えられるようにもなってきています。自分がどこにいるべきなのか、何をしていくべきなのか。年齢の節目も相まって、これからの自分の人生が変わっていくような気もしています。そこまで大きいことってこれまであったっけ、と考えると、石田さんに出会った時に感じたものと、質は違うけれど、重力というか、重さに似たものを感じています。



原稿は書いてませんが、撮影は相変わらず続けているので、植本を応援する意味でも、ぜひ天然スタジオをこの機会にご利用いただければ嬉しいです。

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